基礎代謝(BMR)とTDEEとは?違いとMifflin-St Jeor式での計算方法

カテゴリ:栄養最終更新日:2026-07-11

ダイエットや増量の食事量を決めるとき、最初に知りたいのが「自分は1日にどれくらいカロリーを消費しているのか」です。その基準になるのが 基礎代謝(BMR)TDEE(総消費カロリー) です。この記事では、2つの言葉の違いと、実際に自分の数字を計算する手順を、計算式とあわせて解説します。

基礎代謝(BMR)とは

基礎代謝(BMR=Basal Metabolic Rate)とは、何もせず横になっていても消費されるエネルギーのことです。呼吸・心臓の拍動・体温維持・内臓の活動など、生命を維持するために最低限必要な消費で、1日の総消費カロリーのうちおよそ6〜7割を占める最も大きな部分です。

基礎代謝の大きさは、主に体格(とくに除脂肪量=筋肉や骨の量)・年齢・性別で決まります。体が大きい人ほど、また筋肉量が多い人ほど基礎代謝は高くなり、年齢とともにゆるやかに低下していきます。

TDEE(総消費カロリー)とは

TDEE(Total Daily Energy Expenditure=1日の総消費エネルギー量)は、基礎代謝に日常の活動で使うエネルギーを加えた、1日の消費カロリーの合計です。次の要素の合計としてとらえられます。

要素内容おおよその割合
基礎代謝(BMR)生命維持に使う最低限の消費約60〜70%
身体活動(NEAT+運動)家事・通勤・立ち仕事・運動など動くことによる消費約20〜30%
食事誘発性熱産生(TEF)食べ物の消化・吸収に使うエネルギー約10%
ちがいのまとめ:BMR は「動かなくても消費する土台」、TDEE は「その土台に生活・運動の消費を足した実際の1日分」。食事量を決める基準になるのは TDEE のほうです。

基礎代謝を計算する:Mifflin-St Jeor式

基礎代謝を身長・体重・年齢・性別から推定する式はいくつかありますが、現在最も精度が高いとされるのが Mifflin-St Jeor 式(1990年)で、米国栄養士学会でも採用されています。TDEE計算機 もこの式を使っています。

たとえば30歳・男性・身長170cm・体重65kgなら、10×65 + 6.25×170 − 5×30 + 5 = 650 + 1062.5 − 150 + 5 ≒ 1568kcal が基礎代謝の目安です。

TDEEを計算する:活動レベル係数を掛ける

基礎代謝が求まったら、活動レベルに応じた係数(活動係数)を掛けるとTDEEになります。TDEE = BMR × 活動係数 です。よく使われる係数は次のとおりです。

活動レベル目安係数
ほぼ座りっぱなしデスクワーク中心・運動習慣なし×1.2
軽い運動週1〜3回の軽い運動・ウォーキング×1.375
中程度の運動週3〜5回の筋トレ・ランニング(多くの人はここ)×1.55
激しい運動ほぼ毎日ハードにトレーニング×1.725
超ハードアスリート・肉体労働・1日2回練習×1.9

先ほどの基礎代謝1568kcalの人が「中程度の運動(×1.55)」なら、1568 × 1.55 ≒ 2430kcal がTDEE(1日の総消費カロリー)の目安になります。活動係数は運動の有無だけでなく、仕事や生活の動き方も含めて選ぶのがポイントです。迷ったら ×1.375〜1.55 から始めるとよいでしょう。

計算したTDEEの使い方

TDEEは食事量を決める基準値です。目的に応じて、TDEEを起点に摂取カロリーを増減させます。

摂取カロリーを決めたら、その内訳(タンパク質・脂質・炭水化物)を PFC計算機 で振り分け、必要なタンパク質量は タンパク質摂取ガイド を参考に整えます。収支と体重変化の関係は カロリー収支の解説 で詳しく扱っています。

注意点:あくまで「推定値」

計算式で求めたBMR・TDEEは、統計にもとづく推定値です。実際の代謝は筋肉量・体組成・ホルモンバランス・遺伝などで個人差があり、同じ体格でも数百kcalの差が出ることがあります。

使い方のコツ:計算値を「初期設定」として使い、2〜4週間の体重の推移を見ながら微調整しましょう。体重が減っていくなら収支はマイナス、変わらないなら維持カロリーに近い、と実測でチューニングするのが最も確実です。体重が変われば基礎代謝も変わるため、定期的に計算し直します。

まとめ

BMR(基礎代謝)は動かなくても消費する土台、TDEE(総消費カロリー)はそれに活動を足した1日の実消費です。Mifflin-St Jeor式でBMRを求め → 活動係数を掛けてTDEEを出す → 目的に応じて摂取カロリーを増減 → 体重の推移で微調整。この流れをおさえれば、食事管理を感覚ではなく数字で組み立てられます。まずは TDEE計算機 に自分の数値を入れてみましょう。

参考文献
・Mifflin, M. D., St Jeor, S. T., et al. (1990). A new predictive equation for resting energy expenditure in healthy individuals. Am J Clin Nutr, 51(2), 241–247.
・Frankenfield, D., et al. (2005). Comparison of predictive equations for resting metabolic rate in healthy nonobese and obese adults. J Am Diet Assoc, 105(5), 775–789.
・Levine, J. A. (2004). Non-exercise activity thermogenesis (NEAT). Nutrition Reviews, 62, S82–S97.
ご利用にあたって:本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたもので、個人の体質・体格・活動量により最適な数値は異なります。計算式による値はあくまで推定です。極端なカロリー制限は健康を損なうおそれがあります。既往症・妊娠中・授乳中・成長期の方や持病のある方は、食事管理を始める前に医師・管理栄養士にご相談ください。本サービスは医療・栄養指導の代替とはなりません。